資料室を開設しました。(上のメニューから行けます)
今後、マンガ研究の参考資料を少しずつ採録していきます。特に、基本的な論文のうち、入手しにくいものや参照しにくいものを、ここで紹介したいと思っています。
今回は、宮本大人氏のご了解を得て、「「漫画」概念の重層化過程 ―近世から近代における―」(2003年)を公開しました。本格的にマンガを研究しようとする時、誰もが必ず直面する最も根本的な問題――〈漫画〉とは何か?――を歴史的に検討した論文です。主に江戸時代から明治時代に立ち返り、「漫画」という語の成り立ちと意味の変遷を検証した内容は、マンガ研究者にとって必読であると思います。
また、主に海外マンガの研究に取り組む三浦知志氏の博士論文「ウィンザー・マッケイのマンガ作品に関する研究: 「レアビット狂の夢」とマンガ言説の問題」については、公開されている東北大学のサイトにリンクを張りました。まだ日本では数少ない、マンガ研究分野の博士論文です。ウィンザー・マッケイについて知るための日本語文献としても大変貴重だと思います。
「ストーリー漫画家としての宍戸左行」は、論文というよりも調査報告です。宍戸左行については基本データが少なく(他の戦前漫画家も同様ですが)、きちんと書かれた文献も少ないので、ここで紹介させていただきます。(佐々木)